クラスルール14(d)の解釈について

レーザーセーラー各位
メジャラー  西野 隆文

2011年のスタンダード/レディース/4.7全日本選手権、ならびにラジアル全日本選手権 において、センターボードケースにベルクロを貼っている選手に対し、ベルクロがクラスルール14(d) :
One layer of any material of maximum 2 mm thickness and of a maximum size of 30 mm X 30 mm may be applied at the top front corner of the centreboard case.
で規定されている one layer に違反しているとして、これを剥がすよう要求しましたが、その後調べた結果、次のように訂正します。

ベルクロについての見解 : 貼ってもよい。

先の要求は間違っていました。お詫びします。

以下、解説です。

1.  ルールの変遷

クラスルール14(d)は、センターボードケースの摩耗を防ぐ目的で設けられ、当初は
One layer of general purpose self adhesive plastic tape (includes duct and gaffer tape) of maximum 2 mm thickness and of a maximum size of 30 mm X 30 mm may be applied at the top front corner of the centreboard case.
と書かれていた。

しかし、耐久性のある general purpose tape を見つけるのが難しかったため、2010年より、general purpose self adhesive plastic tape (includes duct and gaffer tape) を削除し、代わりに any material とした。

このあたりのことは、LaserWorld 2009年3月号の5ページ目に書かれていて、耐久性のある self adhesive tape の例として、ベルクロ(ループ面のほう) が挙げられている。

2.  one layer の解釈

(a)  ベルクロのように、ベース部分と起毛部分という、性質の異なる2層の構造であっても、どちらも同じ材質であれば、one layerと見なされる。

(b)  接着層は one layer の一部と見なされる。このことから次の解釈ができる。

(i)   接着層も含めて厚さ 2mm以内でなければならない。

(ii)  異なる材質のものを2枚貼り合わせて1枚の形にしたものは、たとえその状態で製品として売られているものであっても one layer とは見なされないが、下層が接着層である場合には one layer と見なされる。

3.  貼り方のヒント

(a) 30mm X 30mm の大きさのワンピース(1枚もの)にスリット(切り込み)を入れて “W字型” にするのはOK。LaserWorld 2009年3月号の5ページ目の写真参照。
スリット(切り込み)を入れてもよいが、センターボードケースに貼った状態で、30mm X 30mm の範囲を超えてはいけない。~2012/10/12訂正~

(b) 10mm X 30mm の大きさのものを 3枚並べて貼るのはNG。

以 上